【EC業界編】メルマガ・SNS・DM・SMS…各メッセージツールの特徴と注意点
EC市場で顧客を集めるためには、新規顧客を獲得するだけでなく、既存顧客をリピーターにすることも重要です。その手段としてメッセージツールによる顧客への呼びかけが挙げられます。
EC市場の規模が拡大する中で、メールマガジンやSNSなど情報発信の方法も多様化しており、顧客にメッセージを見てもらえるような工夫がより重要になってきます。
中でもSMSは、開封率が高いことや臨機応変なメッセージ発信ができることからEC業界をはじめ様々な業界で導入が進んでいます。この記事では、EC業界で取り入れられているメッセージツール3種類(メールマガジン・SNS・DM)とSMSの主な特徴及び注意点を解説していきます。
Contents
市場規模が拡大するEC業界、利用端末・ビジネスモデルに変化も
経済産業省が2020年に実施した市場調査によると、日本におけるBtoC形式のEC市場規模は毎年右肩上がりに成長を続けており、2019年には19兆円を突破しました。また、スマートフォン経由によるEC市場規模は4兆円を記録しており、今後モバイル端末によるEC利用はさらに増加していくことが予想されます。
近年では自社ブランドの商品を仲介業者を経由せずに直接消費者へ届ける「D2C(Direct to Consumer)」と呼ばれるビジネスモデルも市場規模を拡大しており、株式会社売れるネット広告社が2020年に発表した市場動向調査によると、2020年時点で市場規模は2兆円を突破し、2025年には3兆円に達すると予測されています。
EC業界で用いられる3つのメッセージツール
EC業界ではSMSを除いて、主に3つのメッセージツールを用いて顧客へ情報発信が行われています。
メールマガジン
まずメールマガジンは1通あたりの単価が安い上に一斉送信できるため、商品やキャンペーンなどの告知を多くの顧客へ届けるのに有効です。特にEC業界ではHTMLメールや動画メールを用いて画像や映像、装飾文字などの情報を発信するメールマガジンも多く送られています。
株式会社ラクスが行った「メールマガジンに関する意識調査2019」によると、約40%がメールマガジンをきっかけに商品を購入したことがあると回答しており、効果的な販促ツールであることがわかります。
SNS(Instagram・Twitter・LINEなど)
InstagramやTwitterといったSNSやLINE(公式アカウント)もメッセージツールとして活用されています。メールと同様に送信にかかる費用が安く、多くの顧客へ手軽に送信できるのが特徴です。例えばTwitterでは、自社の商品や店舗の情報をフォロワーへ発信でき、フォロワーを通じて情報を拡散させることもできます。
一方LINEでは、ビジネスでの情報発信方法として主に公式アカウントが活用されています。商品情報やクーポン発行などをLINE上で発信でき、顧客側でLINEアカウントと顧客情報をリンクさせることでその人に適した商品提案やキャンペーン告知などを行えます。また、コラボスタンプの配布やタイムライン上の広告掲載から友だち登録をしてもらい、新規顧客を獲得することも可能です。1対1のコミュニケーションが行えるなど柔軟な対応ができるのもLINEの魅力といえます。
郵送DM
郵送で顧客の手元に届くDMは、写真や文字など多くの情報を1度に発信できることが特徴です。そのため、顧客の住所を知っていればメール・SNSを利用していない人にもメッセージを発信することができます。パンフレットやハガキなど様々な種類のDMがあり、伝えたい内容によって工夫しやすいのも強みです。
最近ではEC業界におけるDM施策として、商品をカートに入れたまま離脱した顧客に対し、カート内の商品情報をもとにパーソナライズされたDMを印刷する技術も登場しており、より効果的なDMを作成することが可能となっています。
3つのメッセージツールの注意点
一方で、3つのメッセージツールには注意しなければならない点もあります。
メールマガジンの課題
まずメールマガジンの課題点として、開封率が低いことが挙げられます。メールの場合、届いても内容を確認せずに消去される割合が約4割と多く(※)、興味のない内容が多いと次第に読まれなくなる可能性があるところが懸念点です。メールマガジンを発信するには、登録者の属性や購入履歴に応じて内容を工夫する取り組みも必要となります。
またユーザーがメールアドレスを変更したときに、登録内容を修正しないまま放置され、到達率が低くなる可能性があるのも懸念点です。
※株式会社ファブリカコミュニケーションズ調べ(調査方法:インターネットアンケート、対象者:20代から60代以上までの男女492人)。
SNSの課題
SNSやLINEにおいては、利用者の年齢層に偏りがあることが挙げられます。特にSNSでは若年層の利用者が多く、高齢者向けの商品アピールには不向きです。そのため、SNS利用者の年齢層やフォロワーのタイプに適した内容で定期的に投稿を行い、より多くの人に見てもらう必要があります。
またLINEでは、メールマガジンと同様にユーザーにとって興味のない情報を発信すると、既読になっていても内容は確認してもらえなかったり、ブロックされたりする可能性があります。これらの対策として、LINE上でEC利用に誘導する施策や1対1のコミュニケーションを行うなどの工夫が必要です。
加えて公式アカウントの運営プランや配信メッセージ数によっては追加費用も発生するため、予算に注意する必要があります。
DMの課題
DMの課題点として、1通あたりのコストが比較的高いことが挙げられます。ハガキDMの場合、印刷代・郵送代などを含めて1通あたり60円前後となっており、多くの人に送るにはかなりの費用がかかります。
また、印刷や発送などに時間がかかる点も注意が必要です。コストや時間がかかるからこそ、DMでは「1通あたりの効果をいかに大きくできるか」が肝になります。
SMSの特徴と注意点
SMSとは携帯電話番号宛てに送信できるメッセージツール
SMSとは、携帯番号を宛先としてテキストメッセージをやり取りできるサービスです。スマートフォンだけでなく、フィーチャーフォン(ガラケー)でも送受信できることから、あらゆる年齢層にメッセージが届きやすいのがメリットといえます。
総務省「令和2年版 情報通信白書」によると、2019年における個人のモバイル端末保有状況は、スマートフォンの保有率が67.6%、携帯電話・PHSが24.1%となっています。このことから、インターネットサービスにおけるSMSの活用は幅広い年齢層に情報を発信できるだけでなく、ECの利用を促すことも期待できます。
SMSの強みは到達率と開封率の高さ
SMSの強みとして、到達率と開封率が高いことが挙げられます。最近では、電話番号を変更せずに携帯電話を他社に乗り換えられるMNPが普及したことから、メールに比べて宛先間違いによる未達も少なく、優れた到達率を実現しています。そして、SMSの開封率は約9割、平均未読数はメールの約1/3となる26件となっており、メッセージを確認してもらいやすいことが分かります(※)。
また、SMSはインターネット上での本人確認としても利用されており、セキュリティ性が高いことも特徴です。
※株式会社ファブリカコミュニケーションズ調べ(調査方法:インターネットアンケート、対象者:20代から60代以上までの男女492人)。
SMS利用時の注意点
一方でSMSにも注意しなければならない点があります。まず、テキストの送信が基本となるため、画像や映像などの情報を直接送信することはできません。そのため、SMSで発信したい情報は文章やURLで説明する必要があります。
また、SMSは送信時に料金がかかります。SMSの送信コストは文字数によって変動し、1通につき70文字あたり税抜3円(最大660〜670文字)となっています。
EC業界でのSMS活用事例
休眠顧客の掘り起こし
SMSはメールに比べて到達率が高いというメリットを活かし、連絡事項をより確実に通達する目的で利用されることも多くなっています。以前に取得した情報でも変更されている可能性が低く、しばらく購入の無かったユーザーへの連絡手段としても有効です。
SMS以外の手段として電話も挙げられますが、知らない電話番号からの着信にはあまり出てもらえないのが懸念点。その上コールセンターの人員コストも発生するなど、あまり効率的とはいえません。
商品購入後のアンケートやサポート
また、商品を購入した顧客に対してSMSを通じてアンケート調査や商品サポートを行う事例もあります。SMSが持つ高い開封率を活かし、商品のフィードバックをSMS上で実施することによって顧客とのコミュニケーションをとりやすくする効果が見込めます。SMSを送信する際は特定のユーザーに絞って配信でき、サービスによっては顧客と直接やり取りすることも可能です。そのため、顧客のタイプや状況に適した情報発信や、効果的なカスタマーサービスを実現できます。
決済通知や督促の案内
到達率と開封率が高いことから、支払いの督促にもSMSが用いられています。メールに比べて内容を確認してもらいやすいため、督促連絡だけでなく決済の通知や配達予定日の確認など、緊急性が高い連絡事項でもSMSが利用されています。
SMS送信サービスでできること
SMSは基本的に一斉送信を行えません。そのため複数の顧客へ一括でメッセージを送信したい場合は、法人向けSMS送信サービスが必要です。多くのSMS送信サービスではPCブラウザ上の管理画面だけでなくAPIも提供されており、自社システムなどと連携した配信も行えます。他にもURLクリック率の確認や予約配信ができるため、販促や集客ツールとしての活用も進んでいます。
例えばメディアSMSの場合、短時間で大量のSMSを送信でき、全キャリアで660~670文字までの長文メッセージを配信可能。また個別返信だけなく、キーワードや選択肢によって自動で返信できる機能や、IVR(自動音声応答システム)との連携機能も備えています。
メディアSMSを導入している通販会社様では、URLクリック率の増加やCPOの削減などを実現しています。
メディアSMSの便利な機能やご利用されている企業様の声は、成功事例集にてもっと詳しく解説しています。
ビジネスモデルが多様化しているEC業界において顧客へ効果的なアプローチを行うためには、SMSをはじめとした様々なメッセージツールを適切な場面で活用していくことが重要です。SMSは他のメッセージツールと比べて到達率や開封率が高いところがメリット。ただし法人向けのSMS送信サービスは10社以上あるため、機能や費用を吟味しながら自社に適したサービスを選ぶようにしましょう。
無料トライアルを利用できるSMS送信サービスも多くあるため、実際に試しながら確かめるのもおすすめです。
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