3Gサービスが国内キャリアで続々と終了!ガラケーは使えなくなるの?SMS送信に影響は?
先日2022年3月末に、auが3Gを停波しました。今後、ソフトバンクが2024年1月、NTTドコモが2026年3月に停波する予定を発表しています。
3Gと言えば、この通信規格が登場するまでは通話のみで使用していた携帯電話でデジタルデータの高速通信ができるようになり、「携帯電話でインターネット接続する」ようになった時代を築いたといっても過言ではないでしょう。
それゆえ、そこから連想してフィーチャーフォン(いわゆるガラケー)がすべて使えなくなってしまうのでは?と勘違いしてしまっている方もいるのではないでしょうか。
この記事では3G停波における影響と、SMS送信に影響があるかについて説明します。
Contents
そもそも3Gって何
3Gは第三世代を意味する「3rd Generation」の略称で、通信システム規格の一つです。NTTドコモがこの規格の通信サービスで「FOMA(フォーマ)」の名称でサービスを開始したのが2001年10月。そしてその翌2002年には、au、ボーダフォン(現、ソフトバンクモバイル)など、主要な携帯電話事業者が3Gを採用しました。
代表的なサービスとしては、NTTドコモの「FOMA」やauの「CDMA 1X」などがあげられます。
3G停波による影響は?ガラケーは使えなくなるの?
前述したようなサービス名は、まさにガラケーのイメージに直結するので、「3G停波=ガラケーが使えなくなってしまう」と思われている方もいらっしゃるかもしれません。しかしこれは間違いで、使えなくなってしまう携帯電話は「3Gにしか対応していない」機種のみです。
そしてもう一つよく勘違いされているのが、影響する機種はガラケーのみと思われがちですが、実はスマートフォンもあるということです。
各キャリアのサイトで、サービス終了となる機種を調べることができるようになっていますので、ご自身の持っている携帯電話が該当していないか、確認することができます。
au
auでは、2022年3月31日をもってすでに3G通信サービス「CDMA 1X WIN」を終了しました。2022年4月1日以降、auの3G携帯電話、3Gスマートフォン、au VoLTE非対応の4Gスマートフォンは使うことができません。
※参考
重要 3G携帯電話向けサービス「CDMA 1X WIN」終了のご案内
ソフトバンク
2024年1月下旬にサービスを終了することが発表されています。影響がある対象機種は、auと同じく3Gサービスのみ対応機種および、VoLTE非対応機種です。
※参考
3Gサービス終了のご案内
NTTドコモ
他の2キャリアと比較して少し先までサービスが提供される印象のNTTドコモですが、「FOMAプラスエリア」の非対応機種は2022年1月で接続できなくなっています。FOMA機種をお使いの方は速やかに機種変更の必要があります。
3Gサービスの契約数は?
総務省のデータによると、2021年3月末時点での3Gサービス契約数は約1,118.5万契約(※)ありました。
※総務省「電気通信市場検証会議 競争ルールの検証に関するWG」より
直近のデータとして確認可能な総務省発表データ時点から約1年が経過していますし、すでにauではサービスを終了しているため、3G契約数はより減っていると考えられます。しかしNTTドコモとソフトバンクではまだサービスが利用できますので、一定数は契約数が残存していると考えられます。対象機種の方は契約プラン見直しや機種変更を速やかに行う必要があります。
各キャリアでは、3Gサービス終了に伴う買い替え応援のキャンペーンを行っているようです。この機会に機種変更を速やかに行っておくといいでしょう。
ガラケーの利用率
繰り返しになりますが、サービス終了になるのは3G対応機種であって、ガラケー自体が使えなくなるわけではありません。4G以降の通信規格に対応しているガラケーは引き続き使えるわけですが、ガラケーの利用率や人気は、どうなっているのでしょうか?
年ごとのスマートフォンとガラケーの利用率(全年代)
年 | スマートフォン利用率 | フィーチャーフォン(ガラケー)利用率 |
---|---|---|
平成24年 | 32.0% | 69.7% |
平成25年 | 52.8% | 51.0% |
平成26年 | 62.3% | 42.2% |
平成27年 | 68.7% | 36.8% |
平成28年 | 71.3% | 35.2% |
平成29年 | 80.4% | 25.2% |
平成30年 | 87.0% | 20.7% |
令和1年 | 91.1% | 18.3% |
令和2年 | 92.7% | 15.1% |
※総務省「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」より
経年でみてみると、スマートフォンが急速に普及する一方でガラケーは利用率が急速に減っていることがわかります。平成25年度時点で利用率が逆転し、令和2年度における利用率は、スマートフォンが92.7%、ガラケーで15.1%となっています。
スマートフォンとガラケーの利用率(年代別)
年代別にみるとどうなっているでしょうか?令和2年度における、スマートフォンとガラケーの年代別の利用率もみてみましょう。
年代 | スマートフォン利用率 | フィーチャーフォン(ガラケー)利用率 |
---|---|---|
全年代 | 92.7% | 15.1% |
10代 | 90.8% | 9.2% |
20代 | 99.1% | 10.3% |
30代 | 97.2% | 10.8% |
40代 | 98.8% | 15.0% |
50代 | 89.5% | 17.1% |
60代 | 81.2% | 23.8% |
※総務省「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」より
全年代を平均すると15.1%となっている利用率ですが、年代が上がるにつれてどんどん利用率が高くなっていることがわかります。60代になると、ガラケーの利用率は23.8%と、まだ約4分の1の方がガラケーを利用しています。ボタン操作なので場所がわかりやすいことや、操作感覚への慣れからスマートフォンへの移行をしない層がいると考えられます。また、高年齢の方に限らず通話ができれば十分と考える方も多く、根強い人気があると考えられます。
また、若い世代ではスマートフォンとガラケーを併用している場合もあり、一定のニーズがあります。
社用携帯としてはまだまだ人気!?
また、働いている方であれば、プライベートではスマートフォンを利用し、仕事関連での連絡用にはガラケーと、シーンによって使い分けているケースがあります。スマートフォンはその機能性の高さゆえ、操作ミスで取引先に迷惑をかける事例があったり、情報漏洩などのリスクも高くなりがちです。こういったリスクを回避するために、機能の限られるガラケーを会社側から支給している場合もあります。
また最近ではスマートフォンのサイズが大きくなりつつあり、折り畳んでコンパクトにポケットに入れておくことができるガラケーは一定のニーズがありまだまだなくならないと考えられます。
ガラケーへの連絡はSMSがおすすめ、その理由
前述のように、まだまだ一定のニーズがあるガラケー。高齢者の方からのニーズや社用携帯としての利用があることから、今後も一定の数の利用が保たれると考えられます。
そんなガラケーでは、シンプルな使い道であることがメリットである一方で、アプリの利用ができなかったり機能が制限されているというデメリットがあります。例えばLINEを含むTwitterやFacebookなどの、いわゆるSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)系のアプリはガラケーで使うことができません。リアルタイムに連絡をしたい場合は電話をかける、もしくはSMS(ショートメッセージサービス)を使う必要があります。
SMSとは
SMSは、電話番号を宛先としたメッセージの送受信ができるサービスです。電話番号を使いますので、ガラケーでももちろん利用することができます。
少し前までは、キャリアを変更してしまうと電話番号自体も変更する必要がありましたが、MNP(Mobile Number Portability)制度の導入がされ、「ナンバー持ち運び」ができるようになりました。したがって現在では今までの電話番号を引き続きそのまま利用することができるようになったため、携帯電話の買い替えのときに登録変更のお願いをするシーンも減りました。異なるキャリアの携帯電話間でもスムーズにメッセージの送受信ができるため非常に便利です。
SMSはスマートフォンでも使用することができますから、スマートフォン利用者とガラケー利用者の間での連絡手段として活用されています。
また、SMSは受信した際に画面で通知が出るため、すぐにメッセージを確認してもらいやすいという特徴があります。多くの方の目につきやすいことから、企業のキャンペーンや商品アピール、アンケートなどでもよく活用されています。
一方で、ガラケーへの連絡手段としてメールアドレスを利用する方法もありますが、メールアドレスはキャリア変更時に変更する必要があるうえに、1人で複数のアドレスを管理している場合もあります。そのため確認頻度が少なかったり、以前に取得したアドレスは使われなくなっていることもあります。
このような特徴から、ガラケー利用者に連絡をする手段としてはSMSがおすすめです。
ガラケーでSMS(ショートメッセージ)を送受信する方法
ガラケーからSMSを送信する方法
- メールメニューを開きます
- 「新規SMS作成」(または「新規メール作成」)を選択します
- 送信したい文章を入力します
- 宛先欄に相手の電話番号を入力します
- 送信ボタンを押して送信します
ガラケーでSMSを送信する場合には、メールメニューを使用します。宛先欄にメールアドレスではなく電話番号を指定することで、自動的にSMS送信へ変更されます(機種によって操作方法が異なる場合もありますので、詳しくは使用機種の取扱説明書をご確認ください)。
ガラケーでSMSを受信する方法
- SMSが届くと自動的に端末へ受信されます
- 受信が完了すると、端末に受信結果が表示されます
- メールメニューを開き、届いたSMSを選択して開きます
SMSを受信する方法は、メールでの受信方法とほとんど一緒です。お使いになっている機種によって多少異なりますが、SMSを受信すると画面上に受信マークが出たり通知ランプでお知らせされたりします。受信マークを選択して新着SMSを確認することもできますし、メールメニューから閲覧したいSMSを選択することもできます。
SMS利用の注意点
多くのメリットのあるSMSですが、メッセージを送信する前に確認しておきたい注意点もみておきましょう。
文字数の制限
便利なSMSですが、とくにガラケーへの送信においては文字数制限に気をつけましょう。基本的にSMSは1通につき670文字まで送信できますが、一部の古い機種では70文字までという制限が設けられている場合があります。例えば、スマートフォン側では300文字の内容を1通で送信できた表示となっていても、古い機種のガラケー側では70文字ごとに分割されて5通送信されるケースもあります。受け取る側が何通も受信することになってしまいますから、不快に思われないようにしなくてはなりません。
送信は有料、受信は無料
SMSはインターネット回線ではなく電話回線を使うメッセージ送信の方法なので、通話と同じく送信側のみに料金が発生します。
たとえばNTTドコモの場合は、全角70文字(半角160文字)で3円が必要で、以降670文字まで文字数に応じて料金が加算されて最大33円が1通あたりに必要です。
※参考
NTTドコモご利用料金
画像は送ることができない
SMSサービスでは、SNS系のメッセージアプリと違って画像を送信することはできません。
スマートフォンでメッセージアプリを使用すると画像の添付もできるため、SMSで画像が送信できると勘違いしている人も多く見受けられます。しかしこれは自動的に他のメッセージサービスへ切り替わることが原因で、例えばお互いにiOSの場合は別途送信料がかかるSMSの代わりに、パケット定額が適用されるiMessageが優先して利用されるので画像も送信することができるのです。また、Android端末の送信では、適した規格のMMS(マルチメディアメッセージングサービス)に自動的に切り替わり、この規格であれば画像を送ることもできます。
※MMSとは、キャリア専用のメールアドレスを宛先にしたメッセージサービスです。やりとりする画面が一緒なので混同しがちですが、SMSとは全く別のサービスになります。SMSで画像を送ることはできませんのでご留意ください。
初めてSMSを送信する相手には文面に配慮する
電話帳に登録されている人からのSMSであれば、メッセージ受信時に送信者がわかりますが、そうでない場合は本文に名前の記載がないと誰から送られてきたメッセージなのかわかりません。また、メールと違って件名がありませんので、そういった意味でも、本文の最初での記名は相手方への配慮が必要となるでしょう。
まとめ
いくつか注意点はあるものの、SMSは、引き続き使うことができるガラケー利用者にも、もちろんスマートフォン利用者にも、手軽にメッセージを送ることができる有用なサービスです。
企業にとっては一斉送信を行うことで様々なシーンでも活用できるでしょう。
ビジネス利用をご検討の方はぜひこちらの記事も参考にしてください。
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